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まず最初に、タイトルを見て……

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こういうのを思い浮かべた方は自己申告をお願いします。
……適当にアマゾンで引っ張ってきただけですので、これらの商品について意見を求められても答えようがありませんけれども。。。


と、それは兎も角。
今日はプールのお話です。
つまり、これ↓。

省庁、不正経理２０億円　５７％は自治体補助金絡み　総務省が発表

　総務省は１３日、農林水産など１２省庁が所管する平成１８～２０年度の予算や補助金のうち計２０億５８００万円で、架空発注し業者の口座に代金をプールする「預け金」などの不正な経理が行われていたと発表した。うち５７％の１１億７千万円（国土交通など７省庁分）は、補助金を使った自治体による不正経理だった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100713-00000077-san-pol

実はこの不正経理、非常に悪いことのようなイメージがありますけれど、私はそこまで問題だとは思っておりません。
と言うか、不正経理というと着服や横領を思いかべませんか？？
これらはそういうことじゃないのです。

そもそも地方自治体は基本的に財政難です。
デフレで政府自体が大赤字を抱えている中、地方の経済状況が良い訳もなく。
収入が落ち込み、公務員は組合を組んで賃金を下げず、その上地方交付税までカットされる中。。。
市町村はそれでも都市を整備していかなければなりません。


ちょっと県道の一例として、こういう道を載せてみました。
勿論、それよりも遥かに予算が少ない市町村道に至ってはすれ違いどころかガードレールさえなく、運転ミス＝５～１０ｍほど下のダム湖に直下＝死亡確定という場所もある始末です。
しかも、その道……雪が降って道が凍るとしたら？？
本気で生命の危機を感じるような、そんな場所もまだまだこの日本には存在します。
いや、道だけでなく、小学校の耐震化や防火水槽の整備、山崩れを防止する事業など、色々とやるべきことは多々ある訳です。


そういう場所を直すのは、行政……つまりが市町村です。
ですが、その手の予算を僅かな市町村の収入から吐き出すのは不可能なのです。
だからこそ、国から補助金を貰います。
事業を行う目的に合致していれば、確か半分くらいの補助金が国から貰える仕組になっている筈ですね。

そこで問題になるのが、この補助金。
詳しい割合までは確認しておりませんけれど、事務費の割合が決まっております。
事業費の３％が事務費に使える……ってな感じに。

で、ここで財政難の市町村。
出来る範囲全てを補助金で賄おうとします。
だって全ての物品が半額セールみたいなものですからね。
コピー用紙からプリンター用品やら燃料代やら職員の給与まで。
尤も、これら全てはその事業に関わっていなければ使ってはならない訳です。
事業に対する事務費ですから。

ちなみに道路などは凡そ１億円ほどの事業があったりします。
その３％でも３００万円。その中の半分を職員給与に使ったとして……残り１５０万円。
さぁ、この額でコピー用紙を買うことを考えて下さい。

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１４００円とか書いてました。
もう面倒ですから何箱買えるかなんて考えませんけれども。

当たり前ですけれど、よほど足りないものがある部署でもない限り、一年間だけでこの額を全て使い切れる筈ありません。
ですが、基本的に補助金ってのは単年度予算ですから、来年にはこのお金はもうありません。
いや、複数年度に渡る事業の場合は、この金額利用を毎年毎年続けなければなりません。
余ったお金を返せば、来年度の予算を減額される可能性もありますから、事業そのものに付随する事務費で事業全てに影響を及ぼす訳にもいかず、使い切るしかないのです。
と言うよりも、まともな事務費にも事欠く地方自治体は事務費を最大限欲しがり、そして結局は部署内でしか使えないために用途に困る訳です。その事業をやっている部署は事務費を使わなければならず、それ以外の部署は事務費にも事欠く。
補助金に紐がついている以上、そういう不均衡が地方自治体内で生じてしまう訳です。

そして、事業が終わってしまえば……また来年度は物資不足……コピー用紙にさえ不足する事務作業が待っているのです。

では、どうするか？？

少し経費を誤魔化して別部署に物資を譲る、使途を誤魔化して購入する。
もしくは自分たちの将来のために物品を買い溜めておくって考えた方が大多数ではないでしょうか？？

まぁ、買い溜め自体が可能だとしても、市町村の庁舎なんて狭いものです。
うちの近所の町役場なんて、いや、もう、そりゃ酷い。
コピー用紙を置ける場所さえも確保するのに難儀しているのが明白。
職員自体が行き来できないような狭っ苦しいスペースに、うじゃうじゃとまぁ。。。

……だったら、お金を先に払っておいて、商品は業者に管理してもらったら？
と言うか、先にお金を払っておいて、商品だけ後で届けてもらったら？？

また、別の部署でパソコンを買う予算がなくて困っていたならば、目的外使途と理解していてもこの余剰金を使って、支出名目だけ誤魔化して行政の円滑な執行に努めようと考える。。。

そういうのが、この代金をプールする「預け金」という不正経理です。

別にこの余ったお金を公務員が懐に入れたり、業者さんに架空発注することでリベートを貰ったりする訳ではありません。
あくまで公務としてお金を有効に使うため、ちょっとだけ先にお金を払うことで、事務の効率化を図ろうとする行為なのです。

不正をしたのはあくまで国庫支出費目の目的項目においてのみ。
補助……つまり国が予算を握っているために使わなければならないとなっているお金を無駄に使うのを止め、もっと事務品を必要としている別部署にその予算を譲り渡す。
もしくは、物品が十分な今年ではなく、足りなくなるのが明白な来年度の商品を買うためにそのお金を取っておく。
税金を用いて行政の能率を上げたという意味では、税金の意図そのものからは全くかけ離れておりません。

勿論、不正行為は不正行為ですから、本気で擁護するつもりはあんまりありませんけれど。
こういう説明もなく、「預け金」などというそこまで酷い悪行とは思えない不正行為を横領などと同等に扱い、公務員叩きの一環とする風潮は、どうも素直に受け入れられず、非常にその報道姿勢が気に入らなかったので、こうして弁護してみました。

如何なる情報も正確に理解しなければ、正確な判断は出来ないでしょう。

ちなみに、この預け入れと翌年度納入という不正だけで、不正額の９割を数えます。
勿論、本当に不正をしたろくでなしの公務員なんて居ないというつもりはありませんけれど、本当に横領や着服を行った公務員の被害額は、恐らくこの１０％以下に留まるでしょう。
その額が小さいというつもりはありませんけれど、２０億円の不正経理と、２億円の着服や横領行為とでは、イメージが大きく変わってきますよね？？
（勿論、それでも巨額なのは事実ですけれど。と言うか、間違いなく一割も横領なんてないでしょう。こういう預け金や設計錯誤とかの、悪意ではなく瑕疵としての支出問題が９９％以上の筈です）

だからこそ、印象論のマスメディアに反撃をするための一矢という訳です。
どうも私はマスメディアが悪く言う存在を弁護することで、マスメディアに噛み付きたくなる気質の持ち主のような。。。



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