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自民個人献金、７２％が電力業界　０９年、役員の９０％超

　自民党の政治資金団体「国民政治協会」本部の２００９年分政治資金収支報告書で、個人献金額の７２・５％が東京電力など電力９社の当時の役員・ＯＢらによることが２２日、共同通信の調べで分かった。当時の役員の９２・２％が献金していた実態も判明した。電力業界は１９７４年に政財界癒着の批判を受け、企業献金の廃止を表明。役員個人の献金は政治資金規正法上、問題ないが、個人献金として会社ぐるみの「組織献金」との指摘が出ている。福島第１原発事故を受け、原子力政策を推進してきた独占の公益企業と政治の関係が厳しく問われそうだ。

http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011072201000982.html

この記事を一瞬見たところ、自民党と電力業界がズブズブであるという印象を拭えません。
パーセンテージを見ると、どうしても……です。
実際、今日の地方紙の一面もこの記事を見て、一瞬眉を顰めたものです。

が、しかし。
自民党下部組織の収入を確認してみると……



個人献金の割合は、自民党全体の献金額の５．２％にしか過ぎません。
その７２％ですから、実に３％強ってところですね。
自民党が幾ら電力会社から献金を貰っているとは言え、３％程度の献金しかしてこない相手に最大限の恩恵を与えるとは考え難いところがあります。

尤も、たかが個人献金、されど個人献金であり……自民党献金額の３％に過ぎないとは言え、130,000,000ってところです。
トヨタが64,400,000ですから、かなりの額であることは間違いないんですけどね。
それでも、電力会社からの要求が丸々通るほど……他の一般製造業と電力会社の要求が競合した場合に電力会社を最大限融通するような、バカなことがまかり通るほどの割合ではありません。。。


勿論、この献金が問題なのは、電力業界と政財界との癒着が問題になっているにも関わらず、個人献金という形で電力業界が自民党に献金をしていたという点です。
それは当然ながら問題ですし、大いに議論すべき点です。
が、しかし。
個人献金の割合だけを大きな見出しで堂々と書き出し、それが全体の３％に満たないことは記事の何処にも記さないというのはどう考えても偏向が過ぎます。
電力会社と自民党のズブズブの関係を、パッと見で連想してしまうことが問題なのです。
そもそも、新聞記事もそれほどじっくりと読む人間は少ないでしょうし、上記のようなデータと付き合わせる人間はもっと少数派でしょう。
事実、私も２ｃｈの書き込みを見るまでこの事実に思い当たりませんでした。


私は、日本の大きな問題点の一つがここにあると思っております。
いや、自民党が綺麗でクリーンな政党である……なんて思っているつもりもありませんし、自民党でなければ日本国は運営できない……とも思ってません。
ですが。
自民党を貶める手段ならば捏造も偏向も問題なくて。
そして、自民党という名前がつくだけでそれを疑う人間も少ない。
その事態にこそ、私は危機感を覚えるのです。

魔女狩りと何処が違いますか？
魔女と疑われたものは自白するまで拷問にかけられました。
自白すれば火刑、自白しなければ衰弱死するまで拷問。
証拠もなければ、疑惑を生み出した人間の責任すらもありません。
そういう酷い事態がまかり通っていたのが中世ヨーロッパですけれど。
今の日本にもその風潮があります。
自民党と名がつけば成果は評価されず、どんな手段を用いても貶めて問題ない。
そして、大衆の殆どがそれを疑問に思わない。。。

……それこそが、最悪の事態です。
民主主義の敗北以外の何物でもありません。

自民党だからダメ。
自民党だから悪いことをしていても当然。
自民党だから一考にも価しない。
それでは……少数派の意見を封殺する言論弾圧と何ら変わりはありません。
どんな少数派だろうとも、どんな立場の人間による発言だろうとも、一考し取り入れるべきは取り入れる。
そうして数の暴力によらない自由な討論によりより良い社会を目指すことが自由の下での民主主義のあるべき姿なのですから。。。


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