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■口に出すという、芸術。

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今日はちょっと落語を聞いてまいりました。
かなり高名な方で、恐らく名前を出せば誰だろうと名前を知っているだろう方なのですが。
……多分。
少なくとも日本の全テレビ番組で最高視聴率を取ったという番組に出られている方ですから、ほとんど知らない方はいらっしゃらないでしょう。
……多分。

で、その黄色い方の話芸を聞いてきた訳ですが。

上手いのね。
面白いのね。


ただ話しているだけなんですよ。
物まねとか、番組中で普通に言っているようなこととか、そこまで特別なことを話しているハズもないのに。
それでも、面白く、笑いがこみあげてくる訳です。



そういうのを聞くと、やっぱり語りってのも……一つの芸術だと思うんですよ。
素晴らしい歌手の歌、天才的なダンスの踊り手、美麗な絵画や彫刻、漆器の艶とか……そういうのに匹敵する、形には残らないけれど、その場に確かにある一つの芸術なのです。
絶景がテレビ越しになるとその価値を半減させてしまうように、あの語りもやはりテレビ越しだと価値が半減してしまうのでしょう。
聞いていて、感心するほどに上手いのです。
やはり、口調、リズム、そして、語りの間。
何気ない話を面白おかしく語る。
それにはやはり技術が必要で、その語り方という技術は芸術と言いきってもおかしくない
と実感させられてしまいます。

同時に、芸能人がうだうだと騒ぐだけのお笑いの、何と価値のないことか。
まぁ、彼らの芸も目の当たりにすれば面白いのかもしれませんが……
テレビで見ている限り、何と言うか、厚みがない。
同じことを何度も何度も繰り返し、相手の反応を図り、更に相手の反応を引き出そうとする技術。

長い年月、修行を繰り返してその個人に身についた、修練の果ての素晴らしい何か……そういうのが致命的に欠けている気がするんですよね。。。


落語芸術協会というのがあるそうですが。
今日は……落語とはまさに、芸術なんだな~と実感した日でした。


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