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書いてみようかと思いたったオリジナル小説。
……多分、と言うか絶対に続きませんけれど。
いや、GWで暇極まりないのです。。。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

大きな戦いがあった。
崑崙山の仙たる呂尚は、周の文王・武王を仙術と話術によって洗脳し、周の国民を煽動することで殷に巣食う蘇妲己を始めとする邪仙を放逐したのである。

だが、邪仙の全てが滅んだ訳ではなかった。
新たなる周の国で行われた邪仙狩りから逃れ、この遼寧にある通化の市へと逃れた一人の邪仙が居た。

その名を檀君王倹と言う。

歳の頃は二十歳過ぎの外観に、六十尺を優に超える巨漢。
女人の腰周りほどの腕を持つ、誰が見ても名立たる武将としか言いようのないだろう。
四角く尖った顔立ちは、一言で表すならば獰猛な野獣。
無精極まりない不規則に伸びた髪と、頬の全てを覆う髭は黒褐色。
その巨大な身体を粗末な麻の着物で覆っている。

周囲の人々は、その巨躯と恐ろしげな風貌を見て、彼の前から立ち去って行く。
事実、未だに大陸全土を巻き込んだ殷周革命の混乱は大きい。
各地では治安が回復せず強盗が多発し続けているのだ。
彼のような凶暴で強そうな人間は、恐れられるのが常なのだ。

「相変わらず、オラが何したってンダ」

自分に突き刺さる忌避の目を感じつつ、檀君王倹は呟く。
実際、こうして周の兵士に追われ続けている彼だったが……彼は結局のところ何一つしていなかった。

「それもこれも……親父が全て悪いダ」

真っ青な空を向いて彼が愚痴るのも無理はない。
彼の父は、天神桓因の子桓雄であり、その偉大なる仙人でもあった。
その術は山を動かし、雨を降らし……兎に角凄い仙人だったのだが、桓雄の容姿はあまり優れたものではなかったため、三百年間もの間女性に飢え続け……己の淫欲を抑え切れなくなった桓雄はついには熊と獅子を女人化させることで、己の性欲を満たしたのである。

その熊と桓雄との間に生まれたのが、この檀君王倹である。

お陰で、彼の容姿は熊のようであり……父譲りのその風貌は女性どころか人間に好かれる類のものではなかった。
熊の母を持つ所為か、それともその巨躯の所為か、彼は生まれながらにして闘争本能というものに欠けていたため、各地で石をもって追われ続けた。

そんな彼が唯一頼れたのは、今は亡き殷の王宮だった。
崑崙山の転覆を目論んでいた蘇妲己は、その者の風貌経歴その他一切を無視し、仙術に長けた者を王宮へと向かえたのだ。
その頼みの綱も……今はない。

「はぁ、路銀ももうないンダ」

殷の王宮に仕えていた時代の蓄えも既にない。
ここまで数百里に及ぶ長旅の中、檀君王倹は道すがら困っている人々にイチイチ蓄えを渡すという、実に奇特な真似をし続けていた。
そう、彼は邪仙と呼ばれる身でありながら、己の容姿と生い立ちへのコンプレックスから、弱者に対しての慈愛の精神を忘れることのない、素晴らしい人格の持ち主だった。
それもこれも、全ての人間が彼を見るなり逃げ、怯えるという……即ち他者とまともにコミュニケーションを取った経験がない純粋さから来るものだったのだが。

……そんな折だった。

「おい。また来やがった」
「近づくな、疫が感染る」
「糞喰らいの、猿どもが」

街の中に響くそんな声。
檀君王倹が目を向けると、一人の少女が道に倒れている。
年のころは僅かに十歳程度。
服も無く、身体中が垢と泥に塗れ、周囲に蠅が群れている。
身体中は暫く栄養を取っていなかったのは痩せこけて骨だけしか見えず、身体をしっかりと見なければ少年か少女かすら分からない。
そしてその風貌故に、街の人は近づかないのだろう。
事実、殷周革命の混乱が終わってすぐの時代である。
街に蓄えは無く、田畑は戦乱で焼かれ……毎冬のように餓死者が出る時代なのだ。
加えて、病に冒されれば神に祈る他には手のない時代。
疫病を連れてくると言われ、その言葉を否定する証拠すらないこの時代、その倒れている少女に近づこうとする民衆なんて一人も居なかった。
……この心優しい邪仙を除いては。

「だ、大丈夫ダか?」

これこそ、檀君王倹と朝鮮民族との最初の会合だった。
この出会いを通し、檀君王倹はこの哀れな民に甚く同情し、彼らを導き、良い生活を……せめて人間らしい生活を送らそうと尽力し……

檀君王倹は朝鮮王朝の始祖となるのであるが……


それは、また、別の機会に。。。

~~~~~~~~~~ つ・づ・く・かも? ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

おっと。

食事へのお迎えが来たからこの辺で。
多分、続かないと思います。
実際、これ以降の資料はないし。。。


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